長雨や　五輪マークも薄汚れ
　　　　　　　　　　　　　　　しゅう平


オリンピックが終わった。日本は金メダルを沢山とった。しかし何兆円もの国費を注ぎ込んで強行したイベントにどんな意味があったのだろう。

コロナ禍、国民の生活はあらゆる面で規制され、地域のささやかなスポーツイベントさえ開けなかった。

サラリーマンは仕事帰りの一杯さえ制限され、ひたすら家に籠る活を強いられたが、感染者、死者数を抑えることはできなかった。


中止を求める世論を無視するように快哉されたオリンピックはヨーロッパの五輪貴族やスポンサー企業の集金マシーンになったように見えた。

経済思想家、大阪市立大学准教授の斎藤幸平は米国の政治学者ジュールズ・ボイコフの詞をかりて五輪のようなメガイベントを「祝賀資本主義」であるとした。

「人々がお祭り騒ぎをしているのに便乗して、政府や開催都市の大型支出によって特定の企業だけが利益をむさぼり、その分のツケを国民に押しつけるもの」と。

コロナで世界が苦しむ中、オリンピック強行開催はいままで蓋をしてきたオリンピックの本質を露呈してしまった。

無限に利潤獲得を目指す資本主義は地球環境も社会もすべてを破壊するという批判をかわすことはできるだろうか。

以上は書生論的な批判であり、「なるほど資本主義とはそういうものだろうが、だからどうしたらいいのか」となる。

　　　　コロナ下に　後ろめたきや金メダル
　　　　　　　　　　　　　　　　　しゅう平