梅雨空や　コロナワクチン打ちに行く
　　　　　　　　　　　　　　　　しゅう平　　　
　　　
　
昨日、コロナワクチンの一回目の接種を終えた。やっと大仕事を終えたという感じだ。予約を取るのも手間がかかったし、当日も接種にいたるまでの手続きが繁雑で心底うんざりした。

　　　　梅雨入りや　老婦老夫の群れて行く

見本市会場を使う接種会場に高齢者たちが集められた。健康そうな者もいるが、ノロノロ歩きの老夫や杖を突く老婦、車椅子の夫につきそう老妻もいる。当方もぎっくり腰が痛い障害者であった。

　　　　免罪符　求めて人の群れ集う

広い待合所で予約の時刻ごとに一列に並ばされ、スチールの椅子に座わって待ち、接種番号や予診票、健康保健証などの確認を受ける。30分ほどで隣の接種会場へ。また書類のチェックを受け、なぜか書類の不備で再発行をじっと待たされる。

　　　　梅雨寒や　コロナに急かれる悪夢哉

各人は番号に従って呼び出され、多くの間仕切りの間を通って目的のビニール張りの小ブースにたどり着く。老医師が氏名を確認し予診票を見て頷き、署名する。奥に待機した看護師が一秒ほどで皮下注射をポンと打つ。その後待機所で30分ほど待ち、やっと解放される。

　　　　梅雨空や　車椅子の影重く　　しゅう平

作業一つ一つが緻密に練り上げられ、絶対にミスをしないという役人仕事の典型のようにしてワクチン接種が終わった。その間約1時間半、高齢者たちは子羊の様にじっと耐え、不平を言う者はいなかった。