きてもみよ甚べが羽織花ごろも
芭蕉
ここ数日、雨も風もないため、いつ散ってもおかしくないと思うが、庭の桜はまだ花をつけている。
しかしその枝はいかにも重そうだ。花衣という言葉があるが、この時期の桜樹が満開の花を身にまとう様を言うのだろう。
<きてもみよ>の句は「桜がきれいだ。花見の着物として甚平でも着て見においで」という意味で、まだ芭蕉の若い頃の作らしい。
最も当方は「花衣脱げばたちまち髪白く 」(田中藤穂 )や「会者定離生者必滅花衣」( 保坂加津夫)などに惹かれる。年のせいだろう。
この桜 その奥山も桜かな
風吹けば ゆらりゆらりと 花ごろも
風吹けば 花の命や ゆらりゆら
風吹かば やがて腐れる 花ごろも
しゅう平
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脱ぐと纏わる
足下に
幾つになっても
眺めあげたし(八公)