春寒し　暗雲垂れる日々重く
　　　　　　　　　　　　　　　　　         　しゅう平


アメリカと韓国軍が北朝鮮をにらんだ合同訓練をはじめたというニュースが流れたが、ひどく気になる点があった。

報道では韓国軍20万人に米軍1万人、イージス駆逐艦2隻、原子力潜水艦、F-22ステルス戦闘機、B-52爆撃機などが参加するとある。 

問題はこの爆撃機である。とっくに退役して砂漠で眠っていると思っていたので、ドラキュラが墓場から蘇ったような戦慄を覚えた。


B-52は第二次大戦終了後に構想され、初飛行したのは60年前という古い機種で、奇しくも朝鮮戦争の最中であった。

冷戦時代は長距離弾道弾に主役の座を奪われたが、ベトナム戦争では通常爆弾の絨毯爆撃を行い「死の鳥」と恐れられた。

これは戦略爆撃機であり、大量の爆弾を降らせて敵の国土を無差別に爆撃して殺戮することが本来の目的である。

日本を焦土にした憎むべきB-29はこの種の爆撃機のはしりだったが、B-52はその後継機として生き延びてきたのだ。

こんな歴戦の強者を引っ張り出してまで脅しをかけるというのだから、アメリカも相当本気になっているのだろう。

この危険信号を相手がキャッチできればいいのだが、そのあたりがいまひとつ分からないから怖いのだ。